2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ボブ・ショウ「去りにし日々の光」、ディヴィッド・I・マッスン「二代之間男」、イアン・ワトスン「「超低速時間移行機」、キース・ロバーツ「猿とプルーとサール」、ジョゼフィン・サクストン「障壁」、ジョージ・コリン「マーティン・ボーグの奇妙な生涯…

『カモガワGブックス〈未来の文学〉完結記念号』では、若島正が「未来の〈未来の文学〉」というタイトルで未訳の傑作を紹介しているのだけど、「それ読みたいやつ!」と思わず声をあげてしまったのがイギリスの女性作家、クリスティン・ブルック=ローズ。由…

「三田文学」2019年秋号、「世界SFの透視図」。この特集における沼野充義+立原透耶+新島進+識名章喜+巽孝之による同タイトルの座談会、いま読んでも拡がりがあってとても面白い。スタニスワフ・レムの各国語版の比較なんて、英米の研究者だけではなか…

知人が関わっている縁で、とある大学の学園祭にてフョードル・ソログープ作の演劇、「死の勝利」を観る。使用言語はロシア語だけど、舞台の脇に字幕スクリーンをつけてくれているのでロシア語の習得は不問。ソログープの小説作品とも共通するのは、超自然へ…

クリエイティブ・ライティングへようこそ!

僕がもっと知りたいと思っている事柄に、英語圏の大学のcreative writing(創作文芸科)やジャンル小説のワークショップがある。「文学の書き方なんて人に教えてもらうことはできない」という密教的スタンスは日本国内においていまだ優勢だと思うけど、テッド…

中国語圏の文学を読んでいて「あ、いいな」と思うのは、「金剛砂」なんていう表現に文章の中で出会う時だ。少なくとも欧米の小説の翻訳の中では、お目にかかったことがない。 この前、とある俳人の句集を日英対訳で読んでいて、「金剛寒といふべしや」という…

たぶんあまり知られていないのだけど、東京大学現代文芸論研究室論集「れにくさ」は無料でウェブですべて公開されている。沼野充義教授退官記念号に掲載されているエヴァ・パワシュ=ルトコフスカ「戦後日本におけるポーランド研究」は工藤幸雄、吉上昭三など…

伊藤典夫編『ファンタジーへの誘い』には、エムシュウィラーの「順応性」、ラファティ「みにくい海」、セントクレア「街角の女神」からビーグル「死神よ来たれ」、ディック「この卑しい地上に」まで忘れがたい作品ばかりが収められている。エムシュウィラー…

一般的に言って、ある国において「紹介が進んでいない国の文学」に脚光が当たるときは、「その国らしさ」が過剰に期待されてしまいがち。海外文化の受容については一定の役割を果たしてきた「ユリイカ」ですら、カルヴィーノの特集の副題には「不思議の国の…

村田沙耶香『コンビニ人間』、世界中で読まれているという話はよく聞くけども、東欧の人口が少なめの国でもつぎつぎと訳されている様子。語学学習に特化したとあるSNSをよくのぞくんだけど、「きょうはじめて日本文学を読んだ、Sayaka Murataという作家だ」…