2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

普通、「私は〇〇は嫌い」という言い方からはさほどの生産性は期待できないことが多い。けれど、場合によってはそれが作家にとってのほとんど明快なマニフェストとして作用することがある。たとえば三島由紀夫はブラッドベリを「ひよわな感性を売り物にした…

折にふれて聞く「オーストラリアでは選挙で投票をしないと違法になる」という文化の違いについてちょっと知りたくなって、竹田いさみ・森健・永野隆行編『オーストラリア入門』(東京大学出版会、第2版刊は2007)。「投票手続きを理由なしでおこたれば20ドルの…

マンディアルグの翻訳というと生田耕作や澁澤龍彦のイメージが一般的には強いが、1950年代の前半から大濱甫 (シュオッブの翻訳家で礒崎純一氏の先生としても知られる)がすでに「三田文学」「文藝」などの雑誌に訳している。1953年の「三田文学」に訳された「…