オーストラリアに住んでいるというと、たまにグレッグ・イーガンのことについて聞かれることがある。僕はまったくいい読者ではないのだけれど、ひとつ記事をアップしてみることにする。

オーストラリア最大の都市、ここシドニーでは、なんとイーガンの本を手に入れることはできない。都心部で最大規模の書店といえば、DymocksとKinokuniya。そのどちらの店のサイエンス・フィクションの棚に行ってみても、、Greg Eganという作家の名を見つけることはできない。わずかにDymocksのほうで、あの快作「ワンの絨毯」を収めたアンソロジーが見つかるくらいのものである。

聞くところによると、彼の本はもともとオーストラリアの出版社からではなく、アメリカの出版社から刊行されているのだそうだ。そのアメリカでも大半の作品が絶版らしく、そうするとやっぱり、日本の受容のしかたが格別だということになる。SFが読みたい!に寄稿された、わが国の読者へのメッセージが思い出される。

しかしここで朗報がひとつ。どちらの新刊書店からも歩いて数分のところに、Elizabeth's Bookshopsという古本屋があって、それは韓国食料品店の立ち並ぶ通りにあるのだけど、そこには『順列都市』の原書が売っているのだ。カバーがけっこうカッコいい。本国で買ってみたい!という方がもしもいらっしゃったら、ぜひどうぞ。

http://www.elizabethsbookshop.com.au/

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