驚いた。このひとは、こんな話も書ける人だったのか。七歳の幼女が、ひとりの修行僧の人生を狂わせ、朽ちらせていく。ぞくぞくとふるえながら、息をつめて一冊を読んだ。古寺がむらさきにもえ上がり、群青の花々がすべてを覆っていくラスト。その魅力について、どういうふうに語ればいいのだろう。……とりあえず、なんだろう、人気作家の余技みたいなものとしての絵本ではないよー、とちいさく叫んでみたい。選ばれた文章と力にみちた絵画との、これは幸福な結婚だ。
(小池昌代の推薦文で手にとりました)
驚いた。このひとは、こんな話も書ける人だったのか。七歳の幼女が、ひとりの修行僧の人生を狂わせ、朽ちらせていく。ぞくぞくとふるえながら、息をつめて一冊を読んだ。古寺がむらさきにもえ上がり、群青の花々がすべてを覆っていくラスト。その魅力について、どういうふうに語ればいいのだろう。……とりあえず、なんだろう、人気作家の余技みたいなものとしての絵本ではないよー、とちいさく叫んでみたい。選ばれた文章と力にみちた絵画との、これは幸福な結婚だ。
(小池昌代の推薦文で手にとりました)