中国語圏の文学を読んでいて「あ、いいな」と思うのは、「金剛砂」なんていう表現に文章の中で出会う時だ。少なくとも欧米の小説の翻訳の中では、お目にかかったことがない。

この前、とある俳人の句集を日英対訳で読んでいて、「金剛寒といふべしや」という箇所の「金剛寒」という語は英語では「metallic cold」としか表されていなかった。とにかく、もっともっと新鮮なコトバに身を浸したいということなのだ。