フィリピン・書店レポート 

※2017年12月にまとめた記事です、文章も写真も当時のもの。

旅の楽しみのひとつは本屋さんへ行くこと。今回は、セブっ子たちの流行の発信地でもある超巨大ショッピングモール、アヤラモールの中にあるNational Book Storeの棚を紹介する。

(アヤラモールの中庭。緑が多くて落ち着く)
まずは、Science Fiction & Fantasyの棚から。

Penguin Galaxyなんて出てたんだ!日本にたとえれば、岩波書店が豪華なハードカバーでSFの不動の名作の刊行を始めるようなものだろうか(たぶんかなりちがう)。手にしているのはル=グイン『闇の左手』で、背の部分のペンギンの青光りの仕方がものスゴく、今にもシャキーンと金属音が聞こえてきそうな感じ(!)。

日本人作家による攻殻機動隊トリビュートのアンソロジーを発見。参加作家は円城塔沖方丁(パソコンでぱっと表示させられないけど「うぶ」の左側はサンズイではなくニスイ)、朝霧カフカなど。

続いて一般文芸の棚。

村上春樹はやっぱり人気!「日本文学の中で人気」というのではなく、もはや「フィリピンにとっての海外文学」というワクの中でさえ相当なポピュラリティを獲得しているのは疑うことができない。初期作から新しめのまでそろってます。

ほかに見つけることのできた日本文学は、遠藤周作『沈黙』、よしながふみ『昨日何食べた?』など。このよしながふみのマンガ、なぜマンガの棚ではなく文芸の棚に?と自分も思ったけど、実は今年の7月にこの書店を訪れた時にもここにしっかり3冊刺さっていた。なので、店員さんやお客さんが入れ間違えたのではなく、すっぱりここが定位置なのだろう(大人の読み物とみなされているということなのかな???)。出版社はvertical。

右側「FAKES」。ドナルド・バーセルミJ・G・バラード、ジョージ・ソーンダースなどの作品が収められたアンソロジー

写真は撮りませんでしたが、ほかにもマーク・Z・ダニエレブスキー、マーガレット・アウトウッドやイタロ・カルヴィーノ、ロベルト・ボラーニョ、スティーヴ・エリクソン、オクタヴィオ・バトラーなどの本を見つけることができました。