東大の現代文芸論の公式サイト、Internet Archiveを使えば去年以前のシラバス、つまり各科目の授業紹介をこっそりみることができる。多和田葉子の授業、「現代文学と多言語世界—精読と創作」の内容説明。

「1.小説の細部に身体ごと入り込んで、宇宙を旅する練習をする。たった一つの文章、たった一つの単語、時にはたった一つの文字が大切。細部にこだわることで、別の時代、別の言語、別のジャンルに視線をつなげていけるようにする。
2.たった一つの言語の中に隠されている多数の言語を見つける練習をする。」

「小説の細部に身体ごと入り込んで、宇宙を旅する練習をする。」なんて力強い言葉!少なくとも21世紀初頭の時点で宇宙旅行の練習を学生に、しかも教室でさせてくれる授業というのは世界を見回してもそうそうないのではないだろうか。