2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

千葉文夫『ファントマ幻想』(青土社、1998)より、「パリのキューバ人 アレッホ・カルペンチェール」。長年読みたい!と思っていた、11年に及ぶカルペンティエールのパリ時代について扱った論考(著者は自分の熱愛の作家、マルセル・シュオッブの全集の翻訳家…

ともに1930年代生まれの詩人、多田智満子や矢川澄子が「宇宙」ということばをもちいるその瞬間、読者をとり囲む宇宙は実際に鳴動するという気がする。サイエンスフィクションの作品の中には、単なる書き割りの宇宙も登場するかもしれない。世代は下り、雪舟…

稲垣足穂が現代のマンガ家たちにもたらしたもの(思案中)

白山宣之…『10月のプラネタリウム』では足穂作品に想を得た作品が収録、呉智英も『マンガ狂につける薬』シリーズで指摘伊藤重夫…神戸という舞台、コマ間の飛躍。『ダイヤモンド・因数猫分解』では作家、稲垣足穂そのひとが登場する作品も鈴木翁二…「白昼見」…

小説のストラテジー

ル=グィンの小さな創作指南書、Steering The Craft。この書物で前提となっている考え方というのは、大海に漂う魔法のボートを乗組員が操舵するように、作家は自分の技術をきびしくコントロールすべきであるということだ。ただでさえ船体は波で揺動してやま…

特別公開?!海外の知人に日本文学を読んでもらえないか、と頼むときのメールの一例。こういうメールを送る活動は10年以上前からおこなっているんですが、今回リライトしてこころみに「150-300 words in a text file」という条件を加えています。読んでくれ…

わたしがシドニーで泊まったのは、キングス・クロスという地城の歓楽街のすぐそばにあるホテルだった。あまり古本屋めぐりをする時間がなくて、一軒だけ行ったのがそのホテルの近所にある店。なにしろ怪しげな歓楽街のそばだけに、想像してはいたが、やはり…