2013-01-01から1年間の記事一覧

「世界の山ちゃんと言うからには当然海外進出してるんでしょうな」と詰問したら、パワハラのかどで訴えられる。

「梨汁ブシャー」と言わなければいけないところを、ついついいつも、「フナ汁ブシャー」と言ってしまう。

ばらスィー『苺ましまろ』(7)(メディアワークス)

4年ぶりの新刊。超おもしろかった。最新巻であるこの巻のオビにも、「かわいいは正義」という宣言が高らかにうたわれている。その通り、このマンガのなかでは、キャラクターはかわいければ何をやっても許されてしまうのである。子どもたちがどんなハチャメチ…

なんで筒井康隆じゃなくて大江がノーベル賞とったの?

1 :吾輩は名無しである:04/06/21 00:28 筒井の方が面白いのに 3 :吾輩は名無しである:04/06/21 01:53 安部にやろうとしたら死んじゃったから大江に回ったらしい。 4 :吾輩は名無しである:04/06/21 01:55 >>3 筒井は候補にもならなかったの? 5 :吾輩…

ベストSFイヤーをもとめて

ベスト・イヤーは80年(日本の)。翻訳作品も国内作品も、長篇も短篇集もアンソロジーも(新作、新訳の短篇は必ずしもベストではないけれど)、これだけ充実しているというか、豪華だった年はないんじゃないですか(ノヴァ年鑑の年!)。現在のような“シリ…

博覧強記の英米文学翻訳家として知られる中村融さん。海外短編小説についてめちゃくちゃ詳しいという以外に、ものすごく足が速いという特技がある。中学・高校と陸上部に所属し、100メートル走の大会では愛知県で3位の座に輝いたこともあるのだとか。その当…

武富智『この恋は実らない』(1)〜(3)(集英社、全3巻)

最高におもしろかった。真の傑作は、タイトルの予言(この恋は実らない)なんてやすやすと跳びこえてゆきます。お幸せに!

筒井康隆『あるいは酒でいっぱいの海』(集英社文庫)

面白かった。「面白かった!」ということ以外に、とくに言いたいことなんてない気もする。初期ショートショート集ということなんだけれど、ほかのショートショート集……たとえば『笑うな』あたりとくらべてみると、叙情的な作品が多い気がした。まあ、『笑う…

ステゴロウくんとサシでオフ会。どこにも行かず、喫茶店、紅茶と水一杯で二時間ダべりつづけるわれわれ。以前におすすめした「シルヴィウス」はあまり気に入ってもらえなかったようで残念。これほどに綺麗な小説をもってしても、ステゴロウくんの心を動かす…

「ねえねえ!ラファティって、生まれたときからおじいちゃんだったんだって! そのしるしに、ティーンエイジャーのラファティなんて、想像もできないでしょう?」…そう言われればそうなのかも。カルヴィーノとあのひとを較べるひとがいるのも、だからなのか…

ある雑誌の音楽レビュー欄をみていたら、モーニング娘。の新しいアルバムが紹介されていた。そこに、太字でこんなキャプションがつけられていて、かすかに笑ってしまう。「本家ガールズグループの逆襲!!」本家じゃないガールズグループというのは、やっぱ…

江國香織+飯野和好『桃子』(旬報社)

驚いた。このひとは、こんな話も書ける人だったのか。七歳の幼女が、ひとりの修行僧の人生を狂わせ、朽ちらせていく。ぞくぞくとふるえながら、息をつめて一冊を読んだ。古寺がむらさきにもえ上がり、群青の花々がすべてを覆っていくラスト。その魅力につい…

秀逸さの極致にまで達した小説があるとして、そういう小説について私が究極的に抱く考えは、以下のようなものだ。文字の印刷された各頁をくまどる自の余白が、環状の壁―― 一行一行読まれるごとに際限もなく引き延ばされてゆく各行のエコーを、作品の内容ぜん…

池澤夏樹『塩の道』(書肆山田)

旅人の詩集である。旅についての本ではなく、旅人についての本。 旅人というのはつまり一番だまされや すいたぐいの人間で、もう少し先に何 かあると思って一生でも歩きつづける 詩人は、このように静かに言い放つ。波の打ち寄せる海をみて歌い、珊瑚礁の上…

高野文子『おともだち』(筑摩書房)

高野さんのマンガで、一冊だけ読み残していたもの。「春ノ波止場デウマレタ鳥ハ」が傑作。『黄色い本』や『棒がいっぽん』におさめられている作品にのなかには、読書を選ぶというか、試しにかかるような感触のものもあったように思う。この本の収録作には、…

こがわみさき『しあわせインベーダー』(エニックス)

ういういしいなあ、もう! 思春期とかべつに戻れなくても、こがわさんの作品を読めばあのときのうれしはずかしいろいろな感じよみがえってくるから全然充分ッス!っていうこのスタンス。いちいちキュンとしてしまう良作でした。しあわせインベーダー (ステン…

わたしはいつも“人生”そのものがこよなくファンタスティックだと信じてきた。したがって、ここにおさめた物語も、ただ、いかに人生がファンタスティックであるかを描いたものが大半を占めている。人生は、信仰者または不可知論者にとっては、かなりwonderful…

高野文子の新作、「ドミトリーともきんす」。数年前にびーぐるという雑誌でインタビューが掲載されていたときは、どういうわけか「私はもうオリジナルでは(自分でストーリーを考えるかたちでは)マンガは描きません」みたいなことを言っていた気がします。実…

自宅で世界一周はできるか?または海外短篇小説フェイバリット

(Is it possible to travel all over the world without moving further than your house?My favorite short stories)いまの気分で、お気に入りの海外短篇小説。日本の作品も、外国から、つまり僕たちをやさしく取り巻いているこの海の外からみれば、海外小…