2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ブルース・スターリング『蝉の女王』(ハヤカワ文庫SF)

蠱惑的なアイデアが蠱惑的に詰まった蠱惑的な小さい本。interdisciplinaryなインスピレーション体(たい)がハチの巣のように充満していて、とすると「評価するための作品」というよりは、未来を発明し直す権利のある者たち――作家や科学者や建築家らが自己のイ…

短篇小説日和

・マイクル・ビショップ「デミル伯の城」(「SF宝石」1979年10月号) ビショップを熱愛し大学の卒論にまで選んでしまった山岸真さんが、とある場所でビショップの短編ベスト3に含めていた作品。そこに「おそらく誰も同意しないであろう」「デミル伯の城」とい…

2019~2020年の収穫

2019~2020年の新刊からではなく、この二年間に読んだ本・マンガからの個人的な収穫。 この種の記事をわざわざ上げるのは本当にひさしぶり。と言っても、学生時代の半分も読めるわけはないわけで、一年ではなくおよそ700日という長さを振り返ってみることに…

こがわみさき『ココログイン』(KADOKAWA)

新作が読めるだけで幸せ!なこがわみさきのひさびさの学園オムニバス。〈魅惑〉という感情を表現させたら右にも左にも出る者はいない天才マンガ家。という確信が本書を読んでさらにほどけなくなりました。宙空に舞う胸の高鳴りのクレシェンドは、もう少しし…