知人が関わっている縁で、とある大学の学園祭にてフョードル・ソログープ作の演劇、「死の勝利」を観る。使用言語はロシア語だけど、舞台の脇に字幕スクリーンをつけてくれているのでロシア語の習得は不問。

ソログープの小説作品とも共通するのは、超自然への関心や仄暗く退廃的な雰囲気、時に霧がかかったように先が読めない物語展開、闇と光、美と醜、生と死といった二項対立のモチーフの乱反射。パンフレットに象徴主義という言葉が躍っていたこともあり、以前少しだけ短篇を読んだワレリイ・ブリューソフ(『南十字星共和国』)のほうに意識が飛躍したり。読書家の友人によるとロシア象徴主義の作品は手つかずかつ未訳の傑作がまだまだ眠っているそうで、ブリューソフも長編にすごいのがあるんだとか。