Amazon.frで、日本の作家性の強いマンガから『ドグラ・マグラ』『高丘親王航海記』までをフランス語に訳すパトリック・オノレの名で検索してみると、本当に幅広い作品を訳していて驚く。ユズキカズなんて訳しているのにはびっくりするほかない。

また、よしながふみ中村明日美子などを訳すカナダの翻訳家Jocelyne Allenのブログのコメント欄を眺めていると、「フランスでは魚喃キリコ『Blue』が訳されているけれどアメリカでは訳されていないのが残念だ」とかそういう会話がマンガファン同士でなされているのもこれまた興味深い(このことが、カナダにはフランス語話者が多いことと関係しているかまではわからない)。ベストセラーとか10万部売れただとかでなくても、フランスにおいて逆柱いみりユズキカズの「本の企画が通り、実際に刊行されている」という事実はそれだけで大きいと個人的には考えている。