2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

極私的名文案内

We are from Down Under, and we have come Up Over the Equator―that purely imaginary line around the terrestrial globe’s girth. All these Up Over folks in the Northern Hemisphere believe that they are on top of the world; but it is only a me…

山尾悠子のおそらくは英語圏での唯一の翻訳である「遠近法」を訳した方が、とある場所で「I really love Yuko Yamao’s works and have often thought I’d like to translate more of her(…)」と書いておられた。『飛ぶ孔雀』は中国語訳が進行中とも聞くけど…

小林恭二『電話男』(ハルキ文庫)

面白かった。こういうスパッと読める文庫文で過ごす休日というのは、特別な出来事がなくても特別な一日になりうる。 以下、二つのレベルから簡潔なメモ程度に。まず個人的な思い出から語ると、この小説に初めて出会わせてくれたのは清水良典ほか編のアンソロ…

人生でフムスを初めて目にした時、「これ、食べものなの?どうやって食べるの?」と疑問符が地上2メートルのところに咲いて出たのを覚えている。ピタにつけて食べたそれは予想外においしくて、後日、自分の家で作って食べてみたらもっとおいしかった。それが…

このひとといるとあたしはきっと神さまになる桜餡いりのパン焼いて もっていった 「つきあってくれるなら たべて」あたしを そう好きではなかったはずなのに笑って たべてくれた それから毎日あたしの焼いたパンを 二人はたべた膝と膝をつきあわせすきな本 …

翻訳家Polly BartonのFifty Soundsで面白いなと思った、ヴィトゲンシュタインの思想を紹介している箇所。ことばの「意味」を定めることの限界を人間のアイデンティティのアナロジーで考えるという。ひとりの人間に散文的に記述できるような「性格」が存在す…